中国における正史の形成と儒教
/早稲田選書
渡邉義浩
|
|
出版社:早稲田大学出版部 |
出版年:2021年12月 |
コード: 282p ISBN/ISSN 9784657210180 |
|
|
|
<東京店在庫有り>
東京店に在庫がございます。少部数のものもございますので、ご来店の場合は直接お問合せください。
|
|
|
|
|
中国の正統な歴史書である「正史」は、いつ、どのようにして、「儒教」のくびきを脱したのか。司馬遷の『史記』はそもそも思想を語る書だった。しかし、やがて、史書として認識される。「三国志」研究の第一人者である著者は、「正史」と「儒教」の抜き差しならない関係を、時には推理小説のようにひもとき、またある時は大河小説のように活写していく。事実を記すだけでは収まらない中国史学が、国家の正統性や勧善懲悪の考えを取り込みながら、独自性と独創性を秘めることを大胆に考察する本書。西欧の近代歴史学とは異なる歴史学の位相、「ワタナベ史学」の到達点がここにある!!
目次:
はじめに
第一章 『史記』と『漢書』――『春秋』と『尚書』の継承 1 司馬遷の『春秋』観 2 「史の記」と『春秋』 3 『漢書』と『尚書』 4 『漢書』と「古典中国」
第二章 『三国志』と『続漢書』――正統の所在と鑑としての歴史 1 二つの予言と蜀学 2 西晉の正統性と倭人伝 3 鑑としての歴史 4 「古典中国」を鑑に
第三章 「史」の宣揚と正統――『春秋左氏経伝集解』と『漢晉春秋』 1 杜預の左伝解釈 2 左伝体の尊重 3 史論と蜀漢の正統 4 正と統
第四章 「史」の自立と「記言の体」――『三国志』裴松之注 1 史書の濫造 2 史学独自の方法論 3 物語と歴史 4 煩悶する裴松之
第五章 史学と文学――范曄と劉勰 1 史書の文学性 2 范曄の文章論と李賢注 3 劉勰の文学論 4 劉勰の史学論
第六章 正史の成立――史学と権力 1 沈約の南朝意識 2 皇帝権力と史書 3 御撰『晉書』の特徴 4 『隋書』経籍志の史学論
第七章 史学の権威と研究法――唐代の史書と『史通』 1 「南北史」の大一統 2 『史記』三家注 3 『史通』の特徴 4 劉知幾の史学研究法
終 章 中国史学の展開と儒教
さらに深く知りたい人のために
あとがき
|
|