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東京便り―中国図書情報 第24回 .

 

アマゾン中国「2015年図書ランキング」
ベストセラー作家第1位は東野圭吾
     


北京・王府井書店の「東野圭吾コーナー」

 

2015年の年末を迎え、中国でも流行語やトレンドなど各ジャンルで「今年のトップ10」が発表されているが、中国の大手オンライン通販「亜馬遜中国」(アマゾン中国)がこのほど「2015年図書ランキング」を発表した。

その中でベストセラー作家、堂々の第1位に輝いたのは、前年の第3位から急浮上した日本の推理小説作家、東野圭吾だ。
さらにベストセラーランキングの第2位に、東野ミステリーの最高峰といわれる『解憂雑貨店』(原題『ナミヤ雑貨店の奇蹟』)がランクイン。

 アマゾン中国社のみのランキングではあるものの、中国のほぼ全土をカバーするネット通販で、東野圭吾が人気・実力ともに押しも押されもせぬナンバーワン作家のお墨付きを得たことが明らかになった――(敬称略)。

 

     
     
     

■2015年ベストセラーランキング

アマゾン中国はここ数年、毎年のようにその年の図書ランキングを発表している。
今年発表された項目は、2015年「ベストセラーランキング」「ベストセラー作家ランキング」「閲読都市ランキング」、そして今年初めてお目見えした「10大新鋭作家ランキング」だ。
まず、2015年ベストセラーランキング(トップ10)を見てみると――

1、『秘密花園』(日本語題:ひみつの花園)
(英)ジョハンナ・バスフォード 著 北京聯合出版公司(2015年6月 第1版)

2、『解憂雑貨店』(原題:ナミヤ雑貨店の奇蹟)
(日)東野圭吾 著 李盈春 訳 南海出版公司(2014年5月 第1版)

3、『島上書店』(日本語題:書店主フィクリーのものがたり)
(米)ガブリエル・ゼヴィン 著 孫仲旭 ほか訳 江蘇鳳凰文芸出版社(2015年5月 第1版)

4、『自控力』(日本語題:スタンフォードの自分を変える教室)
(米)ケリー・マクゴニガル 著 王岑卉 訳 文化発展出版社(2012年8月 第1版)

5、『従0到1:開啓商業与未来的秘密』
(日本語題:ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか)
(米)ピーター・ティール/ブレイク・マスターズ 著 高玉芳 訳 中信出版社(2015年1月 第1版)

6、『追風筝的人』(日本語題:カイト・ランナー)
(米)カーレド・ホッセイニ 著 李継宏 訳 上海人民出版社(2006年5月 第1版)

7、『乖,摸摸頭』(いい子、撫で撫でしよう)
大氷 著 湖南文芸出版社(2014年10月 第1版)

8、『平凡的世界』全3巻(平凡な世界)
路遥 著 北京出版集団公司 北京十月文芸出版社(2012年3月 第2版)

9、『我的第一本専注力訓練書』(私の初めての集中力トレーニング本)
(米)ウォルト・ディズニー・カンパニー著 童趣出版有限公司 編訳 人民郵電出版社
(2012年5月 第1版)

10、『狼図騰』改訂版(狼のトーテム)
姜戎 著 長江文芸出版社(2014年12月 改訂第1版)

 ――というラインナップになっている。売り上げの部数や金額などのデータは公表されていないものの、驚くのはこのトップ10のうちで、海外作品の翻訳本が7点も占めていること。とくにトップ6位までを欧米や日本の作品が占めており、中国ユーザーたちに「世界のトレンドを知りたい」という、知の欲求の“外向き”志向が強まっていることがうかがえる。

 年間ベストセラーの堂々第1位に輝いたのは、以前小欄(「東京便り」vol.20)でもお伝えしたことがある『秘密花園』(日本語題:ひみつの花園)だ。

  イギリスのイラストレーター、ジョハンナ・バスフォードさんの著作で、世界的ベストセラーの塗り絵ブック『ひみつの花園』(Secret Garden)が中国でも大ブームとなり、アマゾン中国や「当当網」といった大手ネット書店で品切れが続出。
細密に描かれたモノクロームの花園に好きなように色を塗り、オリジナルの花園を完成させる塗り絵ブックで、大人も子どもも楽しめること、「ストレス解消効果がある」とされること、さらに中国では国内SNSを通じて塗り絵作品を公表しあうことがファンの間でブームとなり、爆発的に売り上げを伸ばしたようだ。

 続いてベストセラー第2位にランクインしたのが、東野圭吾の『解憂雑貨店』(原題:ナミヤ雑貨店の奇蹟)。
日本では角川書店より2012年3月に単行本が、2014年12月に文庫本がそれぞれ出版され、今年上半期までに文庫が累計100万部に達したという大ベストセラーだ。

その後、中国語圏では2013年に台湾で翻訳出版(皇冠出版社、繁体字版)されたのに続き、大陸では2014年に簡体字版が登場。その年のアマゾン中国ベストセラーランキングでも初登場で第4位を記録し、今年はさらに躍進した形となった。

 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、時空を超えた手紙のやりとりによって、さまざまな悩み相談にのる不思議な商店「ナミヤ雑貨店」を舞台に、タイムスリップする奇妙な手紙を通じて人生の岐路に立った人たちに起こる奇蹟を描いた、感動の長編ミステリー小説。中国語題の『解憂雑貨店』(お悩み解決の雑貨店)が本質をついていて、いい味を出している。
また本作は先ごろ、これを原作として中国で映画化されることが発表された(香港英皇電影公司、万達電影)。2016年にクラインクインし、2017年に公開予定とのことで、そうした話題性も手伝って、さらなるヒットにつながった。

ベストセラー第6位のカーレド・ホッセイニ著『追風筝的人』(日本語題:カイト・ランナー)は、2006年に初版が刊行されて以来のロングセラー。
第10位の『狼図騰』改訂版(狼のトーテム)は、中国人作家・姜戎が2004年に発表したベストセラーの改訂版(日本では『神なるオオカミ』として講談社から翻訳出版されている)。雄大なモンゴルの草原を舞台に、遊牧民とオオカミとの世界を描いた作家の自伝的小説で、今年この作品を原作とした映画が公開(中国・フランス合作)されたことから、人気が再燃したようだ(日本では2016年1月~、『神なるオオカミ』として東京ほかで全国順次公開予定)。
このように中国では、時としてベストセラーがやがてロングセラーとなり、長い年月をかけて人々に広く愛読されるという現象がある。それも日本の約25倍もの国土と13億もの人口を抱える、巨大なマーケット事情があるからだろう。

 
   
 
   
 
 
 
 
 
 
   
     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■2015年ベストセラー作家ランキング

次に、2015年ベストセラー作家ランキング(トップ10)を見てみよう。

1、(日)東野圭吾 (『ナミヤ雑貨店の奇蹟』ほか)
2、(英)ジョハンナ・バスフォード (『ひみつの花園』)
3、大氷 (中国の人気ニュースキャスター、著書に『乖,摸摸頭』)
4、(米)ガブリエル・ゼヴィン (『書店主フィクリーのものがたり』)
5、(米)ケリー・マクゴニガル (『スタンフォードの自分を変える教室』)
6、(米)ピーター・ティール/ブレイク・マスターズ (『ゼロ・トゥ・ワン……』)
7、劉同 (中国の若手作家、代表的なエッセイに『誰的青春不迷茫』)
8、(米)ガートルード・チャンドラー・ワーナー
(アメリカの児童文学作家、中国語題『棚車少年』ほか)
9、(米)カーレド・ホッセイニ (『カイト・ランナー』)
10、ガブリエル・ガルシア=マルケス (『百年の孤独』)

――7、8、10位以外は、前述の2015年ベストセラーランキングに連動した顔ぶれとなった。
東野圭吾は、前年の第3位からトップに躍り出て、名実ともに同ランキングのナンバーワン作家となった。これも『解憂雑貨店』のヒットに加え、東野圭吾と東野ミステリーが中国に浸透したからにほかならない。

そういえば、このほど仕事で中国・北京を2年半ぶりに再訪した筆者は、たまたま訪れた大型ブックストア「王府井書店」で、外国文学コーナーに「東野圭吾作品」という専門の書棚が新たに設けられているのを発見して驚いた。
以前13年ほど北京に滞在していたが、東野作品の専門書棚を見たのは初めてだったからである。
その隣には「村上春樹作品」書棚があり、外国文学コーナーで特定の作家名の書棚があったのはこの2人のみ。北京の読書ファンにとって、外国文学の人気を2分するのが「村上&東野」作品であることが明らかに示されていた。
東野ミステリーはベストセラーコーナーでも平積みにされていて、目についた人気書籍が『解憂雑貨店』をはじめ『秘密』『白夜行』『嫌疑人X的献身』(容疑者Xの献身)などだった。

     

 

 

■ 東野ミステリーの魅力とは?

改革開放して30年余りの中国――。経済の分野ではめざましい成長を遂げてきたが、文化ことに文学・小説の分野では、ミステリーやファンタジーといったエンターテインメント系で西側諸国に大きく先を越されているといわれる。

『ハリー・ポッター』シリーズや東野ミステリーが好まれるのも、中国の読書ファンが「これまでにない面白さ」を渇望しているからだろう。
とくに東野作品が好まれるのは、中国ファンの掲示板サイトによれば「緻密な構成」「魅力的な登場人物」「想像力の豊かさ」「守備範囲の広さ(作品の多様性)」であるという。

 東野圭吾は、毎年の年末に中国で発表される「作家富豪ランキング」(華西都市報)の外国作家ランキング(翻訳本の印税収入などで測定)で、近年は常連でもある。
※ 小欄で既報
2010年:第10位
2011年:第5位 
2012年:第6位 
2013年:第8位

 今年あたり「外国作家富豪ランキング」の順位も大きく上げることが予想される。
いずれにしても巨大市場が広がる中国。その広い大地に巻き起こる“東野旋風”は、まだまだ拡大しそうな勢いだ。

 

 

 

 

※ アマゾン中国が発表した2015年「閲読都市ランキング」「10大新鋭作家ランキング」は以下の通り。

■ 2015年閲読都市ランキング

1、蘇州 2、合肥 3、昆明 4、済南 5、寧波 
6、重慶 7、鄭州 8、長沙 9、仏山 10、杭州
※ 各都市の年間商品販売額における図書販売の割合でランキング。中国の南部と、二線・三線都市(中小規模の都市)で、図書購読が重視されていることがうかがえる。売れ筋は、ベストセラーをはじめ、子どもの教育本など。

■ 2015年10大新鋭作家ランキング(順不同、話題作など)

○ 蔡崇達: 『皮囊』
○ 張皓宸: 『我与世界只差一个你』
○ 斌 卡: 『硬派健身』
○ 白 茶: 『就喜歓你看不慣我又干不掉我的様子』
○ 苑子文&苑子豪: 『我們都一様,年軽又彷徨』
○ 余秀華: 『月光落在左手上』『揺揺晃晃的人間』
○ 李尚龍: 『你只是看起来很努力』
○ 里則林: 『像狗一様奔跑』
○ 艾 力: 『你一年的8760小時』
○ 燕公子: 『恋愛口語:我們到底要跟男人聊什麽?』
※ アマゾン中国の年間販売部数と、1カ月あたりの販売部数などでランキング。

     
     
 

 

小林さゆり
東京在住のライター、翻訳者。北京に約13年間滞在し、2013年に帰国。
著書に『物語北京』(中国・五洲伝播出版社)、訳書に『これが日本人だ!』(バジリコ)、 『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(CCCメディアハウス)などがある。

Blog: http://pekin-media.jugem.jp/

     

 

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